家電製品(電球からパソコンまで)の戦略 (技術革新かアイデア勝負か)

<<革新の遷移 家電製品をとらえて 技術革新とアイデア革新>>

flashlight-629668_1280最近は、省エネのLED電球が普及し、古いフィラメント型の電球の生産は、何年か前に生産が中止された。フィラメント電球は、もともと製品の耐久寿命が短くて、1年―2年で電球が切れる(計画的寿命の設計通りに機能しなくなる?)。従って、100円とか200円とか安い家電製品であっても、取り換え需要が必ずあり、それなりに一定の需要と利益があった。

しかし、LED電球は、40000時間以上という従来の何十倍もの寿命である。一度取り付けたら、何年も取り替える必要がない便利さがある。省力化もメリットだ。

したがって、フィラメント電球からLED電球への取替は急速に進んでいて、電球への需要の変化は、下記の様である。 (図1)参照

図1:家電製品の技術革新 : 従来電球(青色) と LED電球(赤色)
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図からわかることは、明らかに電球という製品カテゴリーの数量ベースは、上図のように需要が大幅に減少すると考えれらる。(計画的寿命が長くなる家電製品)

2010:従来電球が売れなくなり、LED電球に入れ替わる。

2015:従来電球が、市場からほとんど存在しなくなる

2020:LED電球が、長持ちするので、数量ベースの電球需要が減る。

さらに、LED電球は、技術革新で発売当初よりも価格が安くなり、企業のもうけが減るかもしれないが、消費者に安く提供され電気代もさがり、利益還元される。

このように技術革新は、価格低減や耐用年数向上で省エネ社会に、大幅にメリットを提供してきた。

LED電球以外にも、技術革新には、いろいろな物がある。

photo-431119_1280カメラのデジタル化、これでフィルムのコダックは傾き、フジフィルムは、化粧品まで始める変化対応をすることとなった。(フジフィルムは、技術革新+アイデア革新=ビジネスモデルイノベーションで成功)

液晶テレビも、どの程度大きな革新かはあるが、薄型+省電力+高精細など一家に1台が一人に1台の社会となった。

次に来るものは たとえば 乾電池 → 長寿命+大容量バッテリー などであろうか。

そこで、革新と機能という観点で、家電製品カテゴリーの20年(1995ごろ)を考えてみた。

下図:家電製品カテゴリーにおける革新と機能展開=20年前と現在(赤の円の中)

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水平軸=革新性  右の方ほど革新性の高い変化(技術革新やアイデア革新)をしたと考える家電製品群

垂直軸=機能展開 上方向移動ほど、新機能、機能向上、機能集約が進んだ家電製品群(ただし原点の上下に            意味はない)

解かることは、20年たって 家電製品の進化が3つの分類に分けられること。すなわち

1) 技術革新で成功させた家電製品群(図 右下 技術革新の領域)

2) アイデア、機能展開の革新で成功してきた家電製品群 (図 右上 アイデア革新の領域)

3) 多少の変化はあるが、ほとんど使い方も技術も変化のない家電製品群 (図 中央下 )

あえて パソコンは、あまり変わっていない家電製品群に入れさせて頂いた。もちろんCPUスピードやメモリー容量など大きくはなっているが、形状も使い方も、私が1990年に使っていた東芝のダイナブック(薄型軽量)と変わらない。

パソコンが変わったのではなく=パソコン自体の技術革新というよりは、通信環境(インターネットなど)やフェイスブックなどツールが変化したのである。ipad-632394_1280

今後のパソコンの在り様を、レストランに例えるなら、プロのコックの専門調理器具=パソコン、お客様のナイフとフォーク=スマホとタブレットで情報をいただく、ということのようだ。

多くの「技術革新」は、日本企業が主導したといえるのであろう。デジタルカメラなどは、家電製品x技術革新の筆頭格である。もっとも、液晶テレビのように、せっかく技術革新で優位にありながら、経営戦略の観点で早々と韓国に追い抜かれてしまった製品群があるのは残念だ。さらに言えば、3Dは、大きくこけてしまった感があるし、4K(超高精細という技術革新)はどうなるのであろうか?

一方で「アイデア革新領域」勝負は、技術革新以上に もっと残念だ。たとえば、スマホは、ウォークマンとガラ系携帯とゲーム機とPDA(一時期流行したソニーのクリエ)を足したような家電製品である。アイデアの要素は、日本にあり、日本企業は、その中心にいたわけである。どうして アイデアのビジネス化=イノベーション精神が実らなかったのか?(近いうちに考察してみたい)

さて、最後に、これからの期待は、「いままでほとんど変化しなかった家電製品領域の革新である」と考えたい。HEMSや自動車と家電製品の連携など、インフラの変革を絡めたところで、白物家電製品(ほとんど変化していない)の革新領域となる。単なる技術革新でなく、「技術革新+インフラ革新+アイデア=ビジネスモデル革新」の複合が必須だ。

生活に一番近い部分であり、高齢化社会+女性の社会進出にあわせて、家電製品がその概念枠を超越して、普段の生活の安全、安心、便利につながってもらいたいものである。

以上