今後10年も景気低迷シナリオの日本

【2011年の記事を、今更ながら振り返りました(2015/06)】

 

意外とこのページのブログが、サイト訪問者に読まれているようなので、
今更ながら、2011年に記述したブログ記事(このページ文面の後半に添付)を、読み返して 追記しました。

1)なんていい加減なことを2011年ごろに書いているのだ! という部分と
2)結構当たっているではないか! いまでも使えるフレーズだ。 というのがあります。

<円高が続くという記述をしていたが。。。>
円高はアベノミクス第一弾=日銀金融緩和で見事に解消され、80円が125円と行き過ぎか?と思われるほど円安になった。みごとにはずれ!
ただ、この円安は、昔(1990年ごろ?)145円になったこともあるのだから、またそこを狙う!というマーケットピープルの理屈は疑問な気がする。
日本のサラリーマンの給料は、20年伸びていないのに対して、US,中国、アジアの賃金は上昇し富裕層や中間所得層が増えている中で、日本は、黒田マジック以上に相対的に超円安といえるのではないか。(つい昨日も、アジアの富裕層や中間層が東京のマンションを爆買しているというニュースがあった。)

この円安が企業の円ベース決算を好転(2015年3月期上場企業の経常利益最高を記録)させ、大企業では賃金UPを実現した。すばらしい。GDPマイナス成長にもかかわらずだ。

一方で消費財の原料輸入価格があがり庶民の生活が圧迫されるという事実とのバーター取引をしたということである。

<石油の高止まり・エネルギー不足の問題長期化と言っていたが。。。>

石油価格の下落で、10兆円以上輸入が安くなったことは景気の押し上げにラッキーであった。また、電力改革が進んできているようで、電力・エネルギー人材の求人や流動性が増してきているのは、良い方向に進む可能性がある

<今でも変わらないもの>

前回の結びで「政治は環境整備はできても機動力としては無力であろう」と記述したが、これは今でも同じ気持ちである。
問題は企業側にあり、サラリーマン気質の大企業経営陣が改革できないままである。目先の採算に追われる中小企業にしても、新しいことにチャレンジできないでいる状況である。

<これから日本で当然に起きるだろうこと>

A)少子化で生産年齢人口の減少¬=人手不足となり賃金アップ(生産性は同じ)
B)高齢者の比率の増加=介護福祉のためのお金が必要(若者の負担増加)

<日本の経済が起こさなければならないこと>

1)生産性はいままでと同じではなく、上げなければならないのは必然 (1.3倍とか2倍とか業界による?)
2)機械でできるところ(繰り返しとか低付加価値)は機械・ICTで自動運転にすること(たとえば自動車や警備会社や医療など)。
3)2)を実現するためのインフラ(電気自動車、ドローン活用、ロボットなどのための制度や設備)が、まともに整備されること
4)グローバルマーケットで収入をあげ日本に配当すること(経営陣の世代交代必要)
5)ビジネスパーソンは、みなプロフェショナルとして知識労働になり流動性と生産性を上げること。
6)海外からの訪問者が増えて、日本が世界から愛されること

以上 最近思っていることを記述してみた。

以下 2011年(2012年補足)の原文も、お読みいただければ幸いです。

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1)【景気低迷シナリオ】

 

2011年に 日本の失われた20年に続いて 「今後10年も景気低迷のシナリオ」図1というチャートを作ったのだが、まだ 生きているので掲載する(2012/10追記)

< 今後の10年 >

a・欧米の日本型長期低迷で 「円高」は当分継続される。

b・日米欧で景気低迷が、新興国にまで影響し 世界的に景気が沈滞する。

c・活況なのは 一部の人口増のアジアぐらいである。statistics-76199_1280

d・原油高・脱原子力遅れで、電力などエネルギー問題長期化、空洞化の理由にされる。

e・人口減と少子高齢化 団塊の世代の負担が財政を悪化させる。

(本稿は2012年11月現在で記述している。したがって、アベノミクス物価目標2%(というか円の価値低減目標1.96%)によるマーケットピープルの期待=円安傾向は、本稿に未反映である。今後のポイントは、上記a)「円高」の前提を崩す事に成功してそれをきっかけに成長戦略につなげ、デフ脱出の突破口とできるかである。2013/01追記))

「景気低迷のシナリオ」からの結論は、

「みんな働け、労働人口になれ。企業は、社内起業(投資)し 正規社員採用で 需要を作れ。国民(個人と法人)が経済を自分で立て直すしかない。そうすれば、デフレから脱却できる。こと経済に関しては、政治は環境整備はできても機動力としては無力であろう。」

となる。

図1  「今後10年も景気低迷のシナリオ」

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2)【デフレの安定状態の本質】 下 図2参照

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なぜ景気低迷 物価下落 デフレがつづくのであろうか もう少し考察したい。

青色実線・太線=潤沢なお金の流れ(政府から社会保障以降は疑問もあるか)

青色点線・中線=税金の徴収

青色点線・細線=経済のサイクルでのお金の支出や給与

赤色点線・細線=銀行からの融資

図2 (伊藤元重先生の講演内容等を私見を交えて図に描きながら考察)
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図2の右側から説明したい。

日本政府は、90兆円以上の予算のうち半分は税収があるが、残りは国債発行という借金で賄われている。40兆円以上の国債を新規発行していて、日本のGDP500兆円の200%の公的債務残高の状態である。word-667243_1280

日本の金融機関には、実はお金がじゃぶじゃぶあり、この国債をいくらでも購入することができる状態にある。余剰資金がありすぎるくらいなので、利回りも低水準で10年物が0.7%である。

銀行は、本来企業や個人に貸し付けをして市場に通貨を流通させ経済活動を活発にするべきところなのであるが、貸し付けるどころか預金(すなわちお金)がどんどん集まる状態にある。ゆえに運用は国債しかないことになる。

日本の企業は投資をしないから銀行貸付けを必要としないのである。本来は積極的に投資をし、研究開発や商品開発に資源を投じ、それによって高い利益を上げるべき存在であるのに、国内で設備投資しても売れないので投資をしないで、せっせと貯蓄する。

そして、投資はアジアでのM&A中心に海外で行われる。日本企業はこの20年、ひたすらリストラを進め、新規雇用を抑え、資金が余れば内部留保として蓄えてきた。非常にディフェンシブな経営姿勢を貫いてきたのだ。

日本国民・庶民は、不景気で将来の収入の安定や増加を見込めない不安から、消費を最低限にする。マクドナルドさえも買わずに内中レシピ本で自炊するOLが多くなる状況である。消費税が上がることも消費減衰の一因になっている。

日本の市場(サプライとデマンド)の取引が生活必需品(食料や日用品)中心となり、コンビニだけが儲かり、GMSが値下げ競争をして生き残りをかける時代である。

企業売上→社員給与→家計支出→企業利益→新規投資というお金のサイクルが回らない。で景気低迷、デフレ状態これからも10年間という帰結になる。

図を見てもらうと気が付くと思うが、社会保障は、弱者や高齢者に支給されるが、経済活動サイクル=お金のサイクルからは、離れたところにある。finance-108655_1280

年とっても頑張れる人や一時生活保護を受けても経済活動にカンバックできる人はいいが、そうでない人については、企業、中間層、富裕層が助ける(=公助)しなければならないわけである。

所得の再分配の意味合いとして考えるのであれば、消費税より累進性の税の方がいいのかもしれない。

この図をみると税と社会保障の一体改革はもちろん必要ではあるが 景気回復の本質は別のところにあることがわかる。

最後に、不安定の安定が崩れるリスクを、下記に要約しておく。

 

1) 財政リスクの表面化=金融機関が心変わりして、国債をこれ以上持てない、売っちゃうぞと思ったとき

2) 貯蓄資金の動き=高齢者を代表に食いつぶしてきて貯蓄性向が低まった時、さらに、企業が景気復興の気配を   みて投資をしようて貯蓄を銀行から引き揚げたとき

3) エネルギー危機:電力料金高騰がきて、企業や庶民がお金を不本意に支出しなければならなくなり貯蓄をはた   いたとき。

以上