思考スタイル

<<「思考する・発想する」そのプロセスについて>>

アイデアを出す、発想することは成功への第一歩として非常に重要である。イノベーションとは、ザックリ言うと「新しいアイデアを金に変えること」であるが、アイデアが発想されなければ何も実現しない。またアイデアが単なる思い付きやひらめきで論理的でないと、失敗につながってしまう。

本ページでは「思考する・アイデアを発想する」ということについて記述してみたい。head-113927_1280

「思考する=思う+考える」であるが、ヤフーやGOOなどの質問箱には、「思うと考えるは何が違うんですか?」というような素朴な質問がある。まったくの私見(個人的意見)であるが、「思う」とは、いろいろな情報に接し過去の経験や知識に照らして感覚的にイメージを抱くこと。「考える」とは、同様の情報や経験から状況を分析・判断し自分の意見を論理的に構成すること、と考える。従って、「思う」ことは、ポジションであり勝手に思えばいいことであり、「考える」はロジカルに(論理的に)説明されなければならない事である。

「思う」も「考える」も和英辞書では「THINK」になってしまうが、「考える」を強調したいときには「ロジカルシンキング」とわざわざ表現するのではないかと思う。

一方「発想する」は、辞書などでは「物事を考え出すこと。新しい考えや思いつきを得ること。また、その方法や、内容」、とのことであるが、本記述では「考えを新たに生み出し説明できる形にすること」と意味づけして話を進めたい。

物事を発想するにはいくつかの手順・段階がある。アイデアを発想するプロセスを下図に描いてみた。

図 思考する 発想する

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<<情報収集>>

まずは情報収集する。外部から刺激を受けるという行為である。図の左から、友達と会話したり、会社で討議したり、読書をしたり、講演を聞いたり、ディズニーランドで楽しい体験をしたり、美味しい四季の食材を味わったり、テレビを見たり、音楽を聴いたり、あらゆる情報を目や耳や鼻など五感で入手(センス)する。

最近、キュレーションという言葉を時々聞く。特定の関心のある領域に絞って情報を収集し、あるいは検索しやすくして整理するということだ(知恵蔵参照)。例えば「流通業について」とか「コンビニエンスストアについて」とか何か関心がある領域に絞り 情報収集・整理をすることだ、と思えばわかりやすい。そしてその中から情報を選択し自らの知見、経験と融合させて考える。(知恵蔵:キュレーション=インターネット上の情報を収集しまとめること。または収集した情報を分類し、つなぎ合わせて新しい価値を持たせて共有することを言う。キュレーションを行う人はキュレーターと呼ばれる。語源は キュレート・博物館の館長のような役割)

情報収集の形態は、いろいろだが、それらはすべて記憶領域(海馬)に蓄積され、知見・経験となる。最近では 収集された情報の蓄積は 人間の頭の中からPC/HDDさらにはクラウド領域まで広がり、EVERNOTEのようなものに記録し 頭の中にはインデックスだけという人も多いのではないか。

<<思う>>cloud-294526_1280

情報が収集されると同時に、蓄積された記憶と新たな情報を関連付けて、反射的に思いを巡らすことになる。右脳で感じる事(感情や怒り)と左脳で感じる事(理屈)と海馬に蓄積された知識・経験とが化学反応し色々な思い(事柄、イメージ、感覚など)を誘発する。

テレビ番組の事実情報やコメンテーターの発言と自分の感じる事を比較・融合して、自分の「思い」として表現する。飲み会や井戸端会議でのぺらぺら話やツイッターの軽いつぶやき(=思ったことをすぐ書く)、などもそうだ。

<<考える>>field-328962_1280 (1)

思った事をさらに論理的に体系化することが考えるという行為といえる。論理的な考えを整然と組み立てて描くと、理論となり、そしてアイデアにつながる。すなわち、考えるということは、論理(A=B、B=CということはA=Cだ)を展開し、理論に組み立てる。

組み立てる中で、自分なりの新たな展開・発想(編集作業:たしかC=Dだったよな だからD=A)をする。90の組み合わせ編集作業と10のひらめき・追加(99:1かも?)であろう。「考える」はいろいろな情報の編集作業の上に、何か独創的な論理を追加して自分なりのアイデアとすることである。だから「思う」は 勝手に思えばいいという話だが、「考える」は自分なりの説明ができる=説明責任を負うことになる。

ツイッターに文字制限を超えて、いくつも連続的に発信し数千字のコメントを出している人がいるが、これは思いをつぶやくツイートというよりは、考えた論理展開を発表しているという感じである。

 

<<発想する>>education-548105_1280

思いでも考えでも自分なりのモノを発想するためには、ある程度の集中が必要である。

私的には シャワーやトイレで考える場面が一番おおい。(テレビの前では難しい。テレビは考える時間=「間」を与えてくれないから)問題は、考えを新たにひらめいたときに、説明できる+記録できるための物理的な形に早くすること大事である。(シャワー中は超困難である)。人間の記憶(短期記憶)はすぐに消えて行ってしまう。30秒前の発想でさえなんだったかなーとなる。

<<描く>>

描くとは 考えを保存+反復+定着更新することである。

まずは、保存目的:アイデアを発想しても蓄積しないと簡単に雲散霧消していく。また、伝えたり自分で振り返るためにも 物理的な文字や絵にする必要がある。短期記憶の中にアイディアを長く保存するのはできない。

二番目は再利用目的:いちど片付けられたアイデアが再び次のインプットとなって頭に入ってくるようにし、さらに新しい考えアイディアの連鎖反応につなげて行ける。presentation-98489_1280

三番目は、定着更新目的:なにか形にすると見え来る 粗さ・矛盾・新しい発想がある。考えがまとまらない時にフリップチャートにぐじゃぐじゃ絵を描いていると見えてくることがある。「なにか、書(描)いて、みなはれ」(関西弁?)ということである。

描く方法としては、もちろんビジネス的にはMSツール(パワーポイント等)が一番だろうが、簡単なメモ、ICレコーダー、エバーノート、マインドマップのようなツールがあればベストだ。ちなみに私は iPadに録音アプリをいれて音声メモをとり、エバーノートに文章化して蓄積している。

<<現実社会>>

考えない日本人になっていないか?情報を入手し、反応を楽しんで終わってしまうことに慣れていないか?。最近は情報収集がインターネットなどで 簡単にでき、かつ 山ほど手に入るので、情報を入手し賛成・反対と言う程度で結論付けしてしまっていないか。悲しいかな、学歴+受験社会で教育されてた日本人は10の情報を入手したら、考えるのではなく、10の情報を記憶しようと努力してしまう。記憶することで考えた気になってしまう。記憶する、覚えることの教育だけされてきた日本人には、考える習慣をつける訓練が必要である。

10の情報を入手したら、せめて2から3は考えることに、時間と労力を使うべきである。

新聞や雑誌の記事を読んだら、1回閉じて沈黙の中に30秒間考えよう。テレビ討論を見たらテレビ音声を消して1分間考えよう、ということだ。そして、あなたが考えた意見はメモやノートに取ろう。そうすれば個人として 意見形成され、ポジションが取れる人間になれる。

図2:ブレーンストーミング

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<<チーム>>

今までは個人レベルの話をしてきたが 最後にチームレベルでの思考と発想について述べておきたい。よく3人寄れば文殊の知恵とか 言われるが、3人が寄り集まって、だた話すだけでは結論のない井戸端会議、朝のワイドショー状態である。brainstorming-411589_1280

実践的な文殊の知恵とするには、コミュニケーションを通して、刺激や共感が参加者個々の中に生まれる。自由な議論が、新しい発想を促し、さらに、相互に会話反応しながら、参加者全員が認識と価値を共有する結論=合意に至ることが必要である。いくつもある方法論の中から 私は、ブレインストーミング と マインドマップ は有効であると考える。前者は参加者間の化学反応で発想を促し、後者は理解の明確化、共有化とシナジー効果を生み出す。日ごろの生活においても、ビジネスにおいても、個人としても チームとしても 思考し発想する 考えることに 労力を費やしたいものである。(会議スタイル、コミュニケーション合議形成の項も参照いただきたい。)