問題解決スタイル

<<問題解決スタイル>>

問題解決について、今日は次のことを言いたい。

「解決案を並べるのは簡単だ、しかし問題点をつかむのは難しい。」

昨今の社会では、いじめ、体罰、航空機の故障、戦争、デフレ不況など問題がいっぱいある。そして議論されてる事はたいていは、解決手段であって本質に原因の議論には至っていない。今までの学歴主義、受験勉強重視の教育システムにおいては解決する(問題を解く)ことが評価軸である。

問題点を洗い出す、問題点が何かを考え出すことを教えない。この点に日本社会の真の問題点があると私は考える。従って本稿では問題点を突き詰める事をテーマにする。

まず初めに、言葉の定義をしておこうと思う。問題解決の議論でよく出てくるキーワードはいかなるのものであろうが。私なりに辞書からの引用して言葉の定義を添付しておく。

 

現象:できごと【出来事】 人間が知覚することのできるすべての物事。

問題:解答を求める問い。試験などの問い。解決すべき事柄、困った事柄。厄介な 事柄

課題:解決しなければならない問題。仕事や勉強の問題や題目

原因:ある物事や状態を引き起こしたもとになった事・出来事。

真因:事件・事物の本当の原因。

改善点:改善した事項、今後改善を要する事項。過去の反省を踏まえた、より良い成果を得るための変更点。

改善策:状況を改善するための方策。手段。手立て。

解決案:問題のある事柄や、ごたごたした事件などを、うまく処理すること。また、かたづくこと。疑問のあるところを解きほぐして、納得のいくようにするアイデア

 

さて、よくあるパターンは、目に見えている現象を安直に問題点と認識し、とりあえずパッチを当てる事。あるいは、自分の持っている解決手段を無理矢理、問題点の解決に当てはめようとすること。

すなわち最初からノウハウの議論で終始する。これが日本人の典型的行動パターンであろう。テレビが映らなくなった(不都合な現象)→家電量販店で購入しよう(解決案)というのは極論であるが、もう少し本質的な原因を考えようということである。(ちなみに、「拙速は巧遅に勝る」という言葉があり私も同意するが、問題の本質を外さないという前提がある。命に係わる品質や技術上の問題では、この格言を安直に選択する人はいないであろう。)

図1 現象の中の不都合の出来事=問題

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さて、図1(上)を見てもらいたい。枠の中には現象(出来事や事象)もあれば、不都合な現象=問題もある。そして、それは直接見えたり、隠れたりして私たちに訴えかけてくる。

しかし、何が問題で何が現象なのか意外と不明瞭なものである。このような状況で、いきなり解決案(解決手段)を議論し始めてもおそらく的外れな事になるであろう。問題は解決されない あるいは 局部的に治療されても再発し、場合によっては致命傷にもなりうる。

もちろん、問題点が早く解決された方が良いに決まっているが、ポイントは解決手段の話題の方が、みんながわかりやすく、またビジネス(=金)になるという事である。そして的外れな解決手段提案の競争になる。

図2 問題認識と原因 関連付け
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そこで、次に図2(上)を見てもらいたい。

「ノウハウ Know How」すなわち方法=解決案を知る前に、ノウワット Know What=何かを知る、 ノウワイKnow Why=なぜかを知る、ということが大事である。それは何よりも現象と問題を分類し(図では色分けしている)分析し、グループ化し、いくつかの原因に結びつける(因果関係付)必要がある。

そして次にその原因に対する解決案が検討されるであろう。しかしその段階での解決案はまだ充分ではないし最終ではない。その解決案はまだ暫定的なものである。

図3 真因の探求

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図3(上)を見てもらいたい。

課題解決の本当のポイントは、原因を起こしているなぜの核心をつかむ=真因(Root Cause)をつかむことである。もう一度整理をすると

1)問題とは不利益をもたらす都合の悪い現象である。

2)原因とはある状態を引き起こすもととなった出来事である。

3)真因とはいくつもの原因の大元である。

4)そして課題とは解決されなければならない(真因や原因によって引き起こされる都合の悪い)問題なのである。

現象→問題→原因→真因→解決案で 課題解決となるのであり途中を短絡してはいけない。

また、、一つの真因-解決案がすべてを解決するかのように考えてしまう事もあるので注意を要する。問題から解決案までの関係性をしっかりとらえ、別の問題グループは別の対策とすることも必要である。

それから、人の問題(だれだれが悪い・能力がない)や実行不可能な解決案の議論にしてしまうと行き詰ることになる。真因→解決案は実行案として取り組む必要がある。

図4 営業スタイルと問題解決型提案

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最後に問題認識を中心とした営業スタイルを述べておきたい。

図4(上)では4象限の分類領域がある。横軸はよく言われる「物」と「事」の水平軸である。縦軸は上の方に問題認識の強調、下の方に解決手段の強調を位置付けている。

第三象限(左下)は従来の物売り=御用聞き営業である。お客様が何が欲しいものを「持ってきて。あれやってこれやって。」とリクエストしてくる。これをお伺いするスタイルである。

第四象限(右下)は、ほとんどのSIerがよく使う言葉となった「ソリューション営業」である。解決案を提案します。例えば、顧客管理システム、パッケージソフトでお客様の経営状態、役員人材、過去の購買履歴などがパッケージ化された提案である。解決案ではあるが、これがお客様の問題・課題にフィットし解決されるかというとその可能性や確率は低い。

第二象限(左上)、情報分析型問題認識手法による提案と言えるであろう。これはITの進化やSNS社会ネットワークの変化によってもたらされたビックデーターなど情報を分析したり、M2Mセンサーで集めたデータを利用して、新たな気づきを提案しようとするものである。

第一象限(右上)は、問題点を顧客と一緒に考えて、つかむ営業である。最近よく言われるコンシェルジェ・ご相談ビジネスであるがこれはお客様からこんなこと困ってるんだが、どうしたらいい?・どこ行けばいいだろう?という相談が来るわけである。そして一緒になって問題認識をしていく。まさに、機会発掘+ご相談=コンサルティング営業となるわけである。

しかし、真の営業は、象限のどれか一つではなくすべての象限を使い切る営業である。お客様が気づいていない潜在的な課題に対して積極的に提案することが、これからの営業の真髄だからである。物を売る、情報提供を提案する、いうだけであれば、機械(ネットオンライン)で出来てしまう時代である。。

図5:潜在的課題 課題のポジションニング

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最後に お客様の中にある課題(解決すべき問題と原因=真因)を図に分類してみたので掲載する。青い象限が、わかりやすい提案となる。赤い領域への着手は相当にチャレンジである。注)解かっていても顕在化しない課題とは、たとえば「既存市場がシュリンクしていて事業撤退か売却を実行しないと全社レベルで倒産するかもしれない」と役員全員が認識していても、「既存ビジネスに対策を打とう」などと発言したら発言者が首になってしまう状況にあるような場合である。このような組織や文化に関わる課題が潜在的課題の典型である。以上。