「スキル開発」 と 「連続スペシャリスト」

<<スキル開発 と 連続スペシャリスト を考える>>

はじめに

知人から、読んだらいい本として、「ワークシフト」リンダ・グラットン著を薦められた。

いままで、人生二毛作など生き方について考えてきたが、ワークシフトのいう「連続スペシャリスト」という概念に、共感を得たので、今回は、スペシャリスト(連続スペシャリスト)のマーケットスキルについて考えてみたい。

「ワークシフト」では、グローバル化が前提の経済社会、テクノロジーが大きく進展し、社会に変革をもたらし、人口構成の変化と長寿命で価値観が多様化し、エネルギーや環境問題が深刻問題になる時代に、仕事・会社と私生活を守ることだけを考えて暮らしていくのではなく、連続スペシャリストとして変化して行く必要がある。

次世代のビジネスパーソンは、連続スペシャリストとして、2025年に向けて幅広い視点を持ち、幾つもの専門性を遷移してきた経験から独自の価値観で、社会、経済そして世界を語れるようになるべきだと理解した。chalkboard-620316_1280

そして、ビジネスパーソンが、「広い視点で世界に挑み、影響を与えることができる人」になるには、「どのようなスキルを目指し、どのように身に着けて連続スペシャリストになって行けばいいか?」ということがポイントになる。

リンダ・グラットンの言う「連続スペシャリスト」とは、「英語本でマイスター=ある専門分野で鍛錬されたスキルを資産(アセット)として、自分の新たな将来、変えてゆきたい専門分野に、移行と脱皮を繰り返して行く人。

そこで、「ワークシフト」が言う「連続スペシャリスト」になってゆく変遷を考えてみた。

【1)スキル開発】

1-1)スキルの定義

スキルとは、才能、知識、経験、人生観、価値観に基づいて、課題や目標に向かって行動し、それを解決あるいは達成することができる体得された能力である。

図1:スキル体系図 (コンサルタント業界の例)
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1-2)スキルの分類

その内容は、コアスキル(人格・性格・基本的能力)とマーケットスキルに分けられる。

図1では、右側のマーケットスキルの欄に、コンサルティング業の例を記述している。製造業、流通業、金融業などでは、それぞれに、別の項目が設定される。左側のコアスキル(1)(2)は、すべての業種において、概ね、共通している項目である。

1-3)スキルのレベル評価

四角の粒粒は 前述のように 才能や知識を基に経験を積み、自分の実績として貯え、失敗し、反省し、経験から学び、頭ではなく体で覚え、次への機会により以上の成果を出してゆくことができる能力のレベルを表す。

例では 縦に6段階でその深さを測る。一番上がレベル1(初歩)、下がレベル6(最上級)であり、粒が塗りこまれていればレベル獲得ということである。mark-589858_1280

レベル1は新人で入って教育を受け1-2年程度の経験を積み、知識を蓄え少しは理解し、少しは腹に落ち、上司に指導されながらも実務を回せる状態になったということである。(連続スペシャリストとしての一つ目の専門性がマーケットスキルに見えてくるが、先は長い)

この知識を蓄え経験を積み頭で理解しそして体で理解し、人に教えることができるようになっていくレベルアップで、2-3-4-5-6となる。

レベル6はプロフェッショナル=最上位で会社の中でもトップスキル、世の中に出ても他の企業のトップレベルと対峙できることを示す。

通常レベル4ぐらいになるとマネージャー(管理職)と言われるのが私たちのコンサルファームでの一般的な状況であった。

1-4)コアスキルについて

コアスキル(1)は、会社に入ってから身に付けるというものではなく、生まれた時からの個性、家庭環境、学校での勉強や経験、社会人になってからの学習や経験、そして生涯継続的に鍛えられていくようなスキルである。

このコアスキル(1)は、価値観や性格に関わる部分が多い。したがって、会社のビジョンに共感することができるのがベースになる。たとえば、健康志向を強く意識する人は、タバコ会社には合わないあろうし、ギャンブルを否定する価値観の人は、射幸心を煽るゲーム会社や競輪・競馬関連には、入社しないであろう。

すなわち、金が稼げる仕事であれば、どこの会社でもいいという時代ではなく、したい仕事、やってて価値がある、面白いと自分で思える仕事なのである。(最近の新卒就活ではその点の妥協を強いられていることもあり残念な社会である。)

コアスキル(1)は、オフサイトトレーニングもあるが、日々の実践での経験や失敗を乗り越えてゆくことも必須である。

コアスキル(2)については、鍛錬によって育てられるものである。もともと個人の資質に影響される部分もあるが、訓練と経験、そして日ごろから意識することによって大きく育つとされるものである。コミュニケーション力、プレゼンテーション力、分析力、仮説検証力などである。

(参照サイト リーダーシップ 意思決定 コミュニケーション 思考スタイル、問題解決、仮説検証)

リーダーシップスタイル:リーダーシップを指示命令型とビジョン共有型で議論する

意思決定スタイル:意思決定と選択(ホンダカーナビを例に)

コミュニケーション合意形成:相性感情(右脳)と論理(左脳)

思考スタイル:「思う、考える、発想する」 脳を使うということについて

問題解決スタイル:解決案を並べるより、問題点をつかむのが難しい

仮説検証スタイル:仮説検証で課題解決する。仮説を考えたら=即結論としていないか?

このコアスキル(2)については、ロジカルシンキング研修やマネジメント研修などで得る知識と実践で学習する繰り返しで力をつけてゆくことである。

1-5)マーケットスキルについて

1-5-1)マーケットスキルの内容(評価軸)

一方、マーケットスキルは、ビジネスパーソンとして会社の中で働く際に必要となる能力である。これは、事業戦略との整合性が求められるスキルである。

そして、基本的に連続スペシャリストのスキルとして議論されるのは、このマーケットスキルである。

(コアスキルと連続スペシャリストの関係について補足しておくと、

コアスキル(2)のコミュニケーションやリーダーシップ力は、連続スペシャリスト達がチームを組んで活動し  たときの効果的組織のあり方に影響する。

また、コアスキル(1)についていえば、連続スペシャリストとして、専門性を遷移してゆくときの領域の選定  に関する価値観や決断力にあらわれる)

このマーケットスキルレベルで評価される対象要員は、能力にたいして給与(PAY)を得る社員である。すなわち、合理的に評価された形での職能給となる。

(日本型の職能給は、年功序列という評価制度が入り込み正しいスキル評価とは言えない状況がある)。

マーケットというのは、労働市場でヘッドハンターにアピールできるスキルという意味になる。

ただし、本稿での議論のポイントは、PAYの仕組みがどうであろうと、ビジネスパーソンが、連続スペシャリストの実力として、絶対身に着けて行かないといけないスキルについて論じてゆくことである。

ちなみに、図1 コンサルティング業界のマーケティングスキルの内容(評価軸)としては、経営戦略、業務改革・機能(生産、会計、人事、顧客管理、研究開発など)、テクノロジー(ICT技術)、プロジェクトマネジメント(100人規模の組織の取りまとめ)、プラクティス開発(プロジェクト営業であったりコンサルティングビジネス起業、新たな改革)であったりする。

当然、各業界、各社の事業戦略に応じてスキル内容(評価軸)は異なる。ゆえに、会社から要請されるマーケットスキル領域から外れると、長い目では生き残れないことになる。

新卒入社の数年は、あまり気にしないであろうが、自分のスキル形成が進む中で、意識する必要がある。連続スペシャリストになってゆくのだ、という意識が必要だ。

1-5-2)マーケットスキルの専門性が重要

そして、このマーケットスキルにこそ高い専門性が問われる。about-577020_1280

専門性とは、「他人にはできないことで、代替性がない高い能力であること」と「皆が欲しがる価値を生みだす能力であること」「希少性のある能力であること」である。

「高い価値提供をすることで皆が喜ぶONLYONEの存在」 ということである。

1-5-3)マーケットスキルのばし方

新入社員だった頃には「能力は、T字型につけなさい」と言われた。

すなわち、1つ中心となるスキル技術を持ち、その周辺に翼のようにスキルを幅広げて行く。アルファベット文字のT字形になるという事である。

図1であれば、知識獲得のパステルカラーの色付け(=知識獲得されている範囲)が戦略からプラクティス開発まで&テクノロジーも最高位(最新にICT技術)までカバーされている。

そして、マーケットスキル能力として、図1の四角の粒粒でテクノロジ-5レベルまで塗りこまれている。=すなわち、「テクノロジーについては、お任せあれ!」というマネジャーのイメージである。

粒粒のうち白い部分はまだこれから達成すべきレベルであるので まだ6段階目はこれから能力を養う必要がある。達成されれば、T字型スペシャリストとしての完成型になり、連続スペシャリストへの展開が見えてくる。

1-5-4)知識獲得への関心

図1で、パステルカラー色の面積は知識獲得の範囲をしめしていて、高さは知識の深さ、横幅は領域の広さ、である。知識を得るということだけであれば、座学やオフサイトトレーニングなどで高まってゆくであろう。

しかし、出来るという能力は、好奇心、関心、学習、経験、反省のサイクルをへて腑に落ちた・腹に落ちた技術にならないといけない。このサイクルの繰り返しで、高まってゆく。

そして、「好奇心、関心、学習したいという意欲が知識獲得力」であり、スキル向上の原動力なのである。

だから、知識獲得をわざわざ表記しているわけである。(連続スペシャリストに行くには、好奇心というコアスキル(1)が大切である。)

経験がなくともコミニケーションできる・会話ができるということは非常に大事だからである。(もちろん。コミュニケーションやプレゼンテーション力が連続スペシャリストには必要である。)

そして、相手を理解して、議論できる。さらに、自分の中核コアに肉付けすることがアイデアの発想の原点になるからである。(そして、理解力と分析力というコアスキル(2)は、連続スペシャリストの武器である。)

知識がなければ議論にはならず、ありがたく教えていただくになってしまう。

【2)連続スペシャリスト】

2-1)変化に対応すべき連続スペシャリスト

一つの会社で T字型スキルを充実させ、コアスキルものばしてゆくと経営層になってゆけるかもしれない。

当然、20代や30代では、一つのマーケットスキル専門性の完成度を高め習熟すべきである。

しかし、会社は永らえても、事業や技術は急速に変化する時代である。事業が傾けば敗退である。

連続スペシャリストになることを強いる環境変化の例では、EC(電子商取引)事業のマーケティングであれは、Web技術やアクセス解析などあらたなスキルが求められる。ベトナムやインドネシアなど新興国進出の戦略では、その国への参入戦略に掛かるスキルのある人が求められる。

従って、ビジネスパーソンのマーケットスキルも、経済環境や事業戦略に合わせて転換して行かなければならない。30代後半-40代は、人生二毛作目の考慮時期である。=連続スペシャリストになる転機である。

もっと言えば、連続スペシャリストになることに目覚め、自分が中心となって、会社や社会に変化を起こしていけるぐらい頑張りたいものである。このような人物が経営者になって初めて 会社は永遠に不滅であり、事業は上手く展開するのである。

いままでは、30代までマーケットスキルを磨いて完成度が達成されると、コアスキルの充実に重きが置かれてくる。マネジメント業務や社員の使い方に、焦点が移り、その完成型は「あの人はいい人だ」である。「いい人」という表現は、「取り柄がない」というネガティブ表現になる。ぼやぼやしていると追い出し部屋にいることになる。

選択は、連続スペシャリストvsいい人(T字型スペシャリストがスペシャルでなくなった人)である。

ところで、1会社1事業100年という伝統的会社もあるが、実は、事業は時流に合わせて変化させているのが普通である。(伝統とは 古き良きを伝承し、新たな良きを統合してゆくことである =著者の理解)

2-2)マーケットスキルにおける専門領域の選択

そこで連続スペシャリストとして、専門性を社会や経済の変化に合わせて遷移させてゆく生き方が必要である。

原子力発電所の技師から農家へ、というような飛び級でなくても、業際に合わせながら時流に乗る。たとえばデジタルカメラ技術から化粧品さらには製薬業あるいは新興国市場展開など過去の専門性を梃子にしながら遷移してゆくのは、連続スペシャリストとしてありであろう。

ワークシフトでは これから連続スペシャリストが遷移していったらいい専門性分野を、「生命・健康」、「再生可能エネルギー」、「イノベーション」、「コーチング・ケア」だという。

そして、自分が選ぶ専門分野カテゴリーが将来有望かどうか、を正しく選べと言っている。

さて、図2を見ていただきたい。

図2: T字型スペシャリスト 対 連続スペシャリスト
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右側の、連続スペシャリストのキャリアでの色の違い(赤・黄・緑)は、深堀専門領域カテゴリーの違いをあらわす。図では 3極の専門性を遷移しているイメージ。

すなわち、業種業態の会社、(自動車会社、銀行、コンビニ、 食品会社、化粧品会社、ICTコンサルティング会社)、地域や市場(中国参入会社、地方の市場開拓など)、がイメージされる。(将来に向けて有望な専門分野カテゴリーはどこか?近いうちに考察してみたいテーマである)

そして、その背景の知識獲得領域(パステルカラー面積)も、政治、経済、歴史、自然科学、物理、文化、宗教など幅広である。

2-3)T字型スペシャリスト マーケットスキル従来型 (左側)

従来型は、一つのカテゴリーの中での幅と深さを強めることが求められた。だからT字型スキルが目標とされた。

しかし、ICT業界の方はICTの事にしか関心がいかず、地質学者は地面から下の構造しか興味がない。一義的マーケットスキルのままの理解でいる一部の?古参経営者の姿勢が、20年間変化を嫌うデフレを長引かせてきた。

2-4)連続スペシャリスト マーケットスキルの専門性の変遷 (右側)

一方、将来型キャリアである連続スペシャリストは、図の 赤色から黄色 黄色から緑色と専門性を遷移させてゆこうとする。

それぞれの深さと色の違いは、カテゴリーの連環が、一人の中で多極化を促してゆくのを表していて、発想の根源となる。

ここでは、連続スペシャリスト候補の将来型に、「社内の留まるのではなく転職しろ」と言って決めつけているわけではない。

連続スペシャリストのキャリアとして、そう(転職)なる可能性も高いが、会社は永続してゆくために事業の展開をしてゆくのであり、会社内で、それを自らスキルアップしてリードしてゆくパターンもある。

よく企業内起業担当が最初は左遷されたとおもった新事業で頑張り成功する例がある。富士フィルムの「フィルム技術から化粧品に」とか会社の事業展開のなかで専門スキル遷移をした連続スペシャリストがいると考える。

2-5)マーケットスキルにおける知識獲得領域

連続スペシャリストでは、図2のパステルカラーである知識獲得の幅や深さは、非常に多様な物となる。家電業界(技術革新)関連、流通業界(日本の景気経済、政策)関連、新興国市場(成長力や参入障壁、政治や文化)関連などとひろがる。

この知識獲得の多様性を実現しているのが、ビッグデータということである。だから、知識獲得の量がバラエティーに富み、ボリュームが出るのである。

ビッグデータとアナリティクス:ビッグ情報アナリティクスの活用プロセス

連続スペシャリストとしてのカテゴリー幅拡大には、異業種交流やNPOなど特定目的のコミュニケーションへの参画、FB,TWなどの交流、起業交流など、「仕事」と「プライベート」に間に「交流コミュニケーション」という時間がいるのかもしれない。

 

【3)ファシリテーション型のチームへ変化してゆく】

3-1)チーム構造

ゼネラリストが率いるチーム(ゼネラリスト型:図3)と連続スペシャリストから構成されたチーム(ファシリテーション型:図4)をイメージで比較した。

図3:ゼネラリスト型
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3-2)ゼネラリスト主導型チーム組織 (マーケットスキルの観点から)

3-2-1)ゼネラリスト主導

ゼネラリストがまとめるチームは階層化され、上層のメンバーは御神輿に乗っかっている。御輿の部分が非常に重たく情報伝達や共有にも無駄が多い。

また、ゼネラリストの知識程度はビッグデータ時代の到来で、だれでも入手可能な情報となった。現代は、「知っている」は価値やスキルではなく、「頭をつかって価値を出せるか & 行動して成果を出せるか?」である。(欧米の情報を訳して価値にするわけにはいかなくなった。)

さらに言えば、お御輿されている方々は現場から離れるにつれ、現状認識や業務知識は浅くなる。

3-2-2)T字型スペシャリストの参画とコラボレーション不足

一方、従来型T字型スキルスペシャリストは、知識や情報の幅が狭く他の領域の会話ができない。それは そのまま、コラボレーションができないということを意味する。

あるテレビ番組で、地質学者が、地震予知は難しいというコメントをしていた。一方、タレントコメンテーター達が、「動物が騒ぐ、深海魚が取れる、潮流が変化する、電磁波がでる、歴史的連動性がある、古文書に記録がある等々で予知できることもあるのでは?」という幅広い意見を述べた。その際の地質学者のコメントは、「そういうこともあるかもしれないが立証されていない。」で終わった。その地質学者は、地質構造のスキルに長けているが、地震関連周辺の知識獲得領域の幅が狭過ぎて番組の期待する議論にならなかったのである。

昨今、専門家が信用されなくなってきている傾向は、このように専門外分野への関心が一般人並、あるいはそれ以下だということが、震災以降に露出されてしまったからだ。

図4:ファシリテーション型
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3-3)ファシリテーション型:将来の組織フレーム(マーケットスキルの観点から)

3-3-1)連続スペシャリストのチーム

連続スペシャリストチームは、能動的でクイックアクションができる。自分で動くから、提案も早く、活動の幅も広い。

連続スペシャリストチームでは、知識獲得領域(知識のウイング)と専門性の柱の多極化スキルとなり、コミュニケーションと議論の深さ(ディープダイブ)を生んでいる。

知識幅の広い連続スペシャリスト集団が、多様化した課題に対して、議論し反応し合いながら、専門家としての深い専門能力を引き出し合うことができる。

(悪い見本の例は、全部とはいはないが、各省の「有識者会議」みたいなものである。有識者は言いたいことを言って発言は終わり。取り纏めは、省庁職員=ゼネラリストの浅いレベルでの取り纏め。 参照サイト:会議スタイル)                    会議スタイル:会議スタイルとファシリテーション技術

3-3-2)ファシリテーター

チームの統制では、だれかがファシリテーターになり、リーダーシップとコミュニケーションを確保する必要がある。

だれが、リーダーになるべきかといえば その課題にもっとも緊急性を持つ人物(スキル保有者=連続スペシャリスト)である。解決しなければならない人が腹をくくるのが、一番リーダーシップに近い存在となる。

そして、ファシリテーターである連続スペシャリストが、自分のスキルをチーム組織の中核として求心力を作りながら、プロジェクトを進めて行くやり方。結論をだししてゆける力である。

この結果,組織のパフォーマンスが極めて向上することになる。すなわち、いろいろな多様性を持った連続スペシャリスト同志が、自身の多極的技術を、インテレクチュアルファイトさせる。相手を理解しコミニケーションし合って素晴らしい価値が生まれるのである。図4はそのようなイメージである。

1つの課題を360度の縦・横・高さと時間軸(過去から未来)、いやいや3次元、4次元どころでない10次元、100次元という切り口で考えるスキルがないと複雑化社会の解決はできないのである。

【4)最後に)まとめ】

創造性とは、多様性のシナジーと言われるが、一人のビジネスパーソンの中で 多様性のシナジーを実現できる人がアイデアを発想できる。イノベーションの種を見つけられる。そして個人は、他領域の専門性にも幅広く視野をむけていき、大胆に自分のスキル技術を転換していくことが企業人には求められる。

日本では、雇用の環境が、簡単に転職できるものでもなく 連続スペシャリストのような概念は成立しづらいとの意見もある。たしかに、そのような面はあるかもしれない。しかし、グローバル化、ICTの急速な進歩、人口減少社会、そしてなにより、事業の時間軸(=スキルの有効期限)が高速化(短縮化)してきている状況は、日本が世界からの例外というよりは、世界の最先端なのであろう。

20代以下の方々には、従来の1カテゴリー内の常識社会でのT字型スキル深堀は必須である、が、みなさんの20年後20年後の時代においてはT字型スキルでは十分ではない。専門スキルを蓄えながら遷移する連続スペシャリストの時代であろう。そして、連続スペシャリスト達がチームになるときに、多極化スキルが重なり合い、最高のパーフォーマンスが発揮され、世の中が変わってゆく。以上

【参考図書:「ワーク・シフト」 リンダ・グラットン著 プレジデント社】