「購買行動・心理」と「消費行動・心理」と「商品開発・開拓」

<<購買行動・心理 消費行動・心理 商品開発・開拓>>

【はじめに】

昨今、スマホやiPADなどモバイルツールやSNSが普及してきて、マーケティング分析のスタイルが多様化し、いろいろ論じられている。O2O(Online
to Offline)などは典型的な議論である。

そのような議論は、ICTの進化によっている訳であるが、生活者の購買行動、購買心理、消費行動、消費心理というものには、普遍的で変わらない部分も多いのではないかと考えている。

そこで、マーケティングやマーチャンダイジングの視点で、私の理解を整理・記述してみた。marketing-strategies-426545_1280

マーケティング(=市場+ing)とは、「消費者=セグメント」の生活にとって価値ある商品とは何かを考え、それを提供する様に考え企画し実行することである。マーケットという言葉どおり「市場」を中心にとらえる立場である。

一方、マーチャンダイジング(=商人+ing)とは、「売れる商品」の開発=商品コンセプトの製品化と提供方法の開発といえる。言い換えれば、売れる商品の品揃えをして価値を消費者に提供してゆくこと。マーチャントすなわち「商人」の活動、商品開発を起点に考える立場である。

したがって、前者は、顧客市場のセグメンテーションを細分化していくアプローチになるが、後者=マーチャンダイジングは、できるだけ多くの方々にロングセラー商品として利用いただき、価値を提供してゆくビジネスモデルを求めるものである。

故に、今回の分析は、顧客の行動についてはマーケティングの視点から、企業の行動についてはマーチャンダイジングの視点からとらえ、その関連付けを考察してみる。

説明手順としては、まず、消費購買に関わる普遍的な行動の考察と、基本的な商品コンセプトの開発・開拓に焦点を当てて議論する。次に「逆張り視点」で成功している事例を見ながら効果的なアプローチを考えてみる。「逆張り視点」とは、企業が生活者に用を伺うのではなく、生活者に気づきを与えてゆくことを表現している。

さらに、ICTの進化、SNSの普及、長引くデフレによる節約マインド、人口減少、少子高齢化、円安恩恵プチリッチなど、最近のいろんな形での商品開発や販売促進について事例で言及してみる。

.そこには小さなイノベーションがいくつも垣間見えるし、その中から、ロングセラー商品となる成功への道のりが見えてくると考える。

 

【顧客市場と商品開発】

では最初に顧客市場と商品開発の正統的なアプローチについて考えてみる。

(顧客市場とは=製品が特定の市場において顧客に認められて買われる範囲 By Weblio)

図1を見てもらいたい

図1 顧客市場(上段)と商品開発(下段)

↓↓市場における生活者の消費行動↓↓マーケティングの視点↓↓
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↑↑企業の商品開発プロセス↑↑マーチャンダイジングの視点↑↑
市場における生活者の消費行動 A-I

上段は、生活者(消費者)である顧客の購買・消費の心理状況や行動を時系列にパートにしたものである。具体的には、興味や不具合を感じるところから商品を購入し満足を得てリピート購入し、メーカーに評価を与えるところまでの一巡である。

企業の商品開発プロセス 1-7

下段は、メーカーである企業が商品開発開拓をするアプローチ、すなわち、商品コンセプトを定義し、商品を製造・供給し、顧客からフィードバックを受けるまでの流れである。

まず、上段: 顧客の行動パターンをAからIの各ステップごとに説明しておこう。

最初は、AからDの 生活者・消費者の意識についての考察である。

A:生活者の興味、関心あるいは不具合、不足、不満といった現象が引き金になる。従って、これがなければ、購買行動を起こそうということにはならないのが常である。

B:興味・関心・不満から発生するものは、欲求であるが、当然、「強い欲求」もあれば「まあまあ欲しいな」と思う程度の弱い欲求もある。

D:一方、必要性という言葉は、欲求とは別に「要るものは、要るのだ」というポジション・立ち位置を表すことが多い。マーケッティングでは、「ウォンツ」に対する「ニーズ」という言葉である。

C:充足感(十分か不十分か?)を基準に 欲求と必要の関係を表したのが図2である。

図2:
欲望と必要性のマトリクス
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(欲求と必要について、消費者は、生活の中で、結構、曖昧に区分していると思われる。さらにいうと所得層別に、あるいは、ビジネスパーソンか否かなどセグメンテーションでその意識は、大きく違ってくる。)
縦軸には、「何をしたいかという欲求・願望」。これが高いのが上になる。

一方、水平軸には、「必要性」右に高い、左に低いほうをプロットする。

出来た4象限から、

まずは、左下象限「不用品」である。必要も欲求も低い。すなわち困ってもいないし、関心もない。気が付いていない、物足りないという意識もない。こういうところには購買行動は基本的に起きてこない。

右下象限は、「生活必需品」である。これは欲しいとか欲しくないとかいう議論以前に、必要なもの。トイレットペーパーはやっぱり必要である。洗剤は必要である。シャンプーは必要である。今日では、テレビだって必要である。(iPADだってビジネスパーソンには必需品という時代である)

すなわち、生理的欲求ならびに生活の安全と安定を求める欲求が、生活必需品である。これは生活維持のために、物の充足を満たしたい。最低限のものを確保しておきたいと言うことである。気持ちや心は、あまり関係ない。

そして、左上象限の、必要性は高くないが何かしたいという欲求が強い「嗜好品」の領域である。これは、かならずしも生活に必要なものじゃないので、特になくてもいいのではあるが、心の=精神的な満足を得るためには充足させておきたい、という領域である。どちらかといえば趣味性が高い商品群であり、その分、付加価値も高いと言える。

バラエティ番組での心理学者のコメントだが、「本当に欲しいものはコストパーフォーマンスを考えない。」とのことだ。確かにそうだなと同感した。逆に言うと欲しくないけど必要な物は、採算計算するから低価格指向になるということだ。

最後に右上象限、何かしたいという欲求も高く必要性も高い。「生活向上品」である。今のままではなにか足りないのでもう少し良いものが欲しい、どうせ買うのであるならよいよいモノが欲しい、このような考えかたである。ここでは生活向上品と言う名称をつけておいた。(シャンプーでも ノンシリコンがいいと思う選考である)

このように強い欲求があるり、更にその必要性があること。すなわち、いまのままじゃ「不十分・充足されていない」という気持ちや物の状態が存在していて、初めて消費者は興味を示し、それを買って自分の生活を向上させたいと思うのである。

選択から購買 E-Ggooddev1

E:このような欲求と必要性の課題に対して、消費者はどうしようかと、解決案(購買案)を考える。そこでは解決方法になるような商品やサービス、あるいは、それらの組み合わせを候補に入れて比較検討する。この段階で認知されず候補にあがらない商品・製品は、機会ロスとして「はい、さようなら」である。

F:比較検討においては、その商品から得られる満足の期待値とそれにかかるコストが天秤にかけられる。いわゆるコストベネフィットである。このプロセスから選択が行われる。

G:選択の困難さ。シーナ・アイエンガーによれば、人は、選択肢が多くなると選択できなくなるという。例ではジャムを選ぶのに24種類が出てくると買わずに帰ってしまう。しかし、数種類であれば選択して購買する気になる。人間の脳は7種類ぐらいまでしか、ハンドル出来ない構造になっている。したがって、「どうしようかしら」「どうしたらいい」の問いに対する解決案の選択肢は2、3個のシンプルな対象候補となり、その候補にならないと購買はしてもらえない。

消費と評価 H-I

最後にHとIのステップになる。消費してみておいしさや使いやすさといった品質が確認され、満足が得られたかどうか、期待値と比較評価される。

よく言われることであるが商品は、購買時と消費時の2度評価されるわけである。

ロングセラー商品足り得るには、ここで高評価を得てリピート選考に入れてもらうことが必須である。リピート購買は、ステップIからステップGへの繰り返しであり、継続的フォロー活動で維持される。

この段階になれば 良い評判が口コミでも広がるように、推進活動してゆくことがベストになる。一方、評価が悪ければ、リピート購買にもならず、商品撤退時期は近い。
製造メーカーにおける商品開発(図1の下段)gooddev1

次に、マーチャンダイジングの視点から製造メーカーの商品開発・開拓ステップを1から7で説明しておこう。各ステップは、図1の上段=マーケティングでセグメント化された顧客の購買行動、消費行動に対応して行われる。

1:商品コンセプト

何よりも、製造メーカーにとって、商品コンセプト企画は重要なタスクである。このタスクをしっかり行うかどうかで、商品開発の成功率が大きく変わってくる。数撃つ商品開発で仕事をしている気になってはいけない。いかに勝率を上げるかの方が、開発部門としての大事なKPIである。

1-1:生活課題、意識調査、インタビュー、訪問調査

対象商品を利用するシーンにおける、生活者(購買者・消費者)の感じていること、不満、希望などを調査し、問題、課題の認識を行う。方法は、グループインタビュー、個別深堀インタビュー、家庭訪問、状況観察などである。(詳細は、山ほどあるマーケティングの本を参照いただきたい。)

1-2:顧客満足の定義、アイデア発想、纏め

購買行動のB-C-Dで記述した「欲求と必要性と充足度」の関係を理解し、どの様な満足を訴求するのか?。たとえば、洗剤でいえば、強力汚れ落ち?、コンパクト収納?、臭いなし効果?、殺菌?、環境(水節約すすぎ)?、高級繊維向け?等 どれが訴求ポイントなのか である。

1-3:カテゴリー・商品イメージ・実現度検討

顧客セグメントと確立すべきブランドの検討を徹底して行い定義する。そして、商品力を生み出す技術やノウハウ、さらには生産技術力、流通(物流やら店舗プレゼンテーション等)の開発など、実行プロセスの定義を行う。

ここで、商品力にたいする期待と満足についての考察する。図3を見てもらいたい。

図3
期待と満足度のマトリクス
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商品力がありいかに消費者に満足を与えれれるかが、大事なポイントである。

満足=期待:期待通りの満足があり継続的にリピート購買が行われる。さらに口こみでの評判が拡大し、ロングセラー商品となる。

満足>期待:予想以上の満足の提供。しかし、期待が小さいと選択候補に入ることが少なく機会ロスが多い。

満足<期待:期待先行であり、ちょと盛り上がるかもしれないが、すぐに下落して終わる。

満足?期待:論外、選択候補に入らない。

言いたいことは、期待を生み出す商品コンセプトにたいして、それを満足させるだけの商品力を作り出す実行力がないと、ロングセラー商品にはならないということである。

1-4:商品コンセプト纏め、企画書最終化

最後に、コンセプトの文書化と詳細計画の策定をおこない、企画書を最終承認する。

2:製造、供給、配荷

品質を堅持する生産力と同時に、新商品を計画どおり配荷する方法や準備も必須である。リアル小売店舗では 往々にして上市計画が無視されたりすることもある。通販やECでも配送や在庫の管理などで誤りや欠品を回避したいものである。

3:ブランド確立

強者が、後発・まねした商品戦略で追従し、資源(人物金)に糸目をつけずマス広告をうって出てくる前に、しっかりとカテゴリーのトップブランドとして、「カテゴリー開拓者 功労者」のポジションを確立することである。(ヤマト運輸が最適例)

4:販促、広告、チラシ、O2O

この領域は、ICT進化、SNS、モバイル、クラウド、ビッグデータで大きく変革されている領域である。CVS店舗へのWiFiアクセス設置、電子チラシ、クーポン販促、などである。(ファミマ8000店で無線LANクーポンも配信、日経30130528、

5:店頭調査、POS分析

フィールドスタディによる購買理由調査、店舗における販促実施調査、おなじみPOS/ID-POS分析など、この領域も 先進的取組がICT進化とともに行われている。

6:品質維持、安心安全の訴求

商品バーコードでの品質確認表示、リアルタイムなツイッター分析でクレーム処理、安全安心説明のためのWeb活用などである。

7:FOLLOW UP アンケート 優待販促

ツイッター、フェイスブック、自社サイトその他インターネット上のあらゆる情報からの評判分析、消費者へのアンケート、VIP顧客としての販促活動など。

商品開発プロセスでの ICT活用は、SCMなどの効率化はもとより、顧客分析による販促や商品企画への領域へと軸足を移しつつある。
【逆張り提案型】

逆張り提案型:さてここまでは教科書に沿った話であった。

図1における理想的なプロセスとは、

顧客である消費者は合理的に判断・行動し、

企業はうまくその行動をリードするよう活動し、良い商品が開発され、

それを欲しがる消費者に、最適に供給され、

消費者が最大満足を獲得することができることだ。

しかし、実際には、こんなにうまくはいかない。

生活者は、自分の課題を意識してないし、製造メーカーも、とにかくコンセプト作りをしているが、自社製品の最大効用を説明・アピールできていない。

だから、攻める企業としては「生活者から不満を聞きだす」よりは、「生活者が自分では意識していない潜在的な疑問や不満や希望を見つけ出して、逆に意識させる。」のが、成功への道となる。生活者がすでに分かっていることは、どこの会社もやっていることという訳である。

そこで、企業が生活者にご用伺いするのではなく、生活者に気づきを与えてゆくやり方=「逆張り視点提案」を、前述の図をつかって議論をしてゆきたい。

図4
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ポイントは、1)生活者が、まだ、気づいていない、抜け落ちた課題や興味となる候補穴をうまく突き詰めてることと、2)企業自身が、気づいていない、あるいは想定していない訴求ポイントを、普及すること、の2点である。

抜け落ちた穴を革新的技術やプロセス改革でビジネスに持ち込んでればそれがイノベーションと言えるのであろう。 抜け落ちた穴を各ステップごとに表記したのが図3である。

A:不便に気づいていない消費者 無意識な人を不便と感じさせる。

B:まだそれほど欲しいと思わない生活者、弱い欲求を強い欲求にする

C:十分満足と感じているところを不十分なのだと感じさせる

D:必要ないと思うところを、それは必需品だと理解させる

E:マンネリ化した旧来品のリピート購買を崩すために、選択肢を広げさせる。

さらに、選択に興味を持たせる。

F:採算を高い、安いだけの価格視点に対して、コスパ判断の発想を提起する。

G:買う直前でも、選択する合理的意識を持ち続けさせる。

H:消費の安心安全を信頼と楽しさに変える。

I:クレームも、VIP顧客への誘導の第一歩と考える。
【逆張り事例集】

さて、この後、いろいろな事例をレビューしながら 逆張りアプローチの成功例を見ておきたい。

BからA:無意識な生活者に、刺激を与えて 欲求と必要性を掘り起こす。

家庭用洗剤

当初は、汚れが落ちるが中心だったのが、家庭訪問や生活アンケートで置き場所に困っているからコンパクト化する、次に、PM2.5や花粉・マンション締切じめじめ家干し+加齢臭に困っているから臭いをとる機能強化。さらには、殺菌消毒等々、主婦が意識し始める前に先手を打ってでる。汚れを落とすだけの生活必需品からにおいも消える殺菌もできる生活向上品の領域に展開してきている。

ジャパネットタカタ

掃除機では、東芝トルネオでブラシの先端に前方照明用LEDをつけたオリジナルPB商品を提案し、下取りと合わせて低価格提案している。なるほどのアイデアの実践である。

EからA:ブランディングで意識させる

ノンシリコンシャンプーの強烈なマス広告。あっと言う間に、シリコンが入っていない方がいいというような流れ・風潮を作り上げてしまった。大手も、追従に追い込まれる。

HからCD:満足体験から更なる不充足感と再必要性を持たせる

江ノ電観光 & はとバスツアー

利用者が意識しないうちに満足するサービスのポイント。

江ノ電は10キロ足らずであるが30分もかけて街中、軒下、海岸、路面いろいろなところをぐるぐる回りながら走る。それが楽しい。人間は一直線に進むより、ぐるぐる回りながら視点を変えながら移動する方が楽しめる。
(所さんの目が点テレビより)。

また、はとバスツアーでは、イベントをいっぱい盛り込んで次々と展開する方が、最終的な満足度が高いそうだ。一日かけてゆったりと2,3件観光地を回るよりも、7箇所~8箇所と、忙しく巡る方が最終的には記憶に残り、多少の未充足感とともに、また行きたいと思う満足感が残る。

さらにパスは視点が高いので、ゆったりと動く景色を眺めていると、いつの間にか時間が過ぎていき、楽しい時間が、あっという間に過ぎた気持ちになるという。

これは、人間の潜在的な快さに訴えかけるサービス構成である。(人間は早い動きをみていると時間を長く感じる、ゆっくり動くものをみると時間が短く感じるらしい。タクシーよりバスの方が視点の高さ=ゆったりした視野 で時間を短く感じる実験より:これも、所さんの目が点テレビより 充実時程錯覚)

FからG:採算計算のお得感の表現で選択誘導

電子新聞の価格戦略 1)新聞だけとると3800円 2)新聞+電子だと4500円の二者択一だと3800円の方が安く感じる。実際、媒体は違うが、情報は同じなのだから、安い方でいいやとなる。

ところが、1)新聞3800円、新聞+電子4500円、電子4500円の3択にすると2)4500円コースでは、紙の新聞はおまけで付いてくるような意識になり、2番を選ぶことになる。

人間の選択におけるお得感を刺激する戦法である。当然、新聞社は販売店の存続のために紙の新聞は注文されなければ困るわけであるが、世の中のデジタル化サービスにも追従しなければならない苦肉の策であろう。

EからD:広告で使い方の説明

ジャパネットたかた2連発

ICレコーダーとえば記者が政治家ぶらさがりインタビューでつかったり、ビジネスマンが会議の記録を取るために使う物と誰もが考えている。そこに 奥様向けに、学校から帰る子供への伝言ツールとして自宅利用提案し、非常に多く販売した話は有名である。

ミズノのシューズで踵の部分にねじれが起きないような高質の素材をいれた製品の紹介番組がある。たぶん10~15分ぐらいかけて、松岡修三による説明、京都ツアーなどで添乗員などが履いて歩きまわっても疲れない、足の負担が軽い、健康にいいという訴求、ゴールデンウイークに京都に行くならこの靴を、ということである。そして最後に値段、 2000円引きでお得感をだす。

共通してい言えることは、商品の説明ではなく使い方の説明を何分もかけて行うことである。 それも気が付いていない使い方や旅行で使うシーンを説明する。 メーカーができていないことをテレビショッピング(というよりテレビプレゼンテーション)で行っていることである。

EからD:OLの勝手アイデアの必要性が思いもよらない用途の候補に

ブラウス収納文具 朝の情報番組で「出張に行くときにかかせない物はなんですか?」という問いに、塩ビ(プラスティック)でできた書類ブリーフ入れだという。で、使い道は、ブラウスをしわにならないようにいれて持ち運ぶのに最適だという。出張に限らず自宅収納でも活躍できる。文具メーカーの考えも及ばない消費者の使い方、発想である。このようにメーカーの想定外の素晴らしい使い方が消費者にひそかに行われている例は多々あるのであろう。

F-G:消費を品質だけでなく楽しさで訴求する回転寿司

本稿を記述し始めたら、朝晩の情報番組で、異色回転寿司のメディア露出全開なので詳しくは書かないが、一皿100円ではなく400-600円だけど日本海産直新鮮回転寿司、フランス料理付回転寿司、釣人から買取り回転寿司(釣った人の名前入り皿の回転サービス付)、店内釣堀サービスで子供エンターテインメント、じゃんけんやオークション特典サービス、マグロ解体ショー付回転寿司、などなど、どれがロングセラーになるのか要見物である。

H-I:クレームをファンに変える技術

航空会社の遅延お詫び:よく言われる話ではあるが、クレーマーをファンに変えてしまう対応である。到着遅延でトラブルになった顧客に、VIPラウンジサービス優待をすることで不満を帳消し以上にリカバーする。もちろん、社員の「おもてなし」対応がベースにあっての話ではあるが。

 

【まとめ】

最後にさて、最後に、いままでの議論も踏まえつつ、企業が、生活者の購買行動や消費行動をどうとらえて行けばいいのであろうか?ポイントを箇条書きにしつつ、私なりの纏めとしてゆきたい。生活者の姿勢生活者というのは 自分の欲求とか必要な物とかは知らないし、意識もしていない。directory-466935_1280与えられたものに問題や不満があって、初めて課題を意識する。騒ぐものである。

こういう物が在ったらいいなというような前向きな考えをしようとはしない。欲しいものは、与えられた物から選ぶという前提の行動パターンである。そのくせ 選べない。今すぐ必要のないどうでもいい物については、選ぶ努力をしたくないのが人間、適当に一つ選んでしまうのである。

生活者の心

生活者のアンケートやコメント意見には意外と うそがある。人間は真実は素直には言わない物である。

しかし、最近はICTや科学の進化で、視線・動線での注意力や脳波での興味反応の観察など踏み込みつつある。視線が Z状に動く常識が変わってきているし、CMや広告などでの効果的な注目の集め方ができるようになる。

企業競争

中小企業が先陣をきってニッチを攻め、強者が後追いでそれを奪うモデルではなくなってきた。全員がアイデア勝負の時代である。すべての企業が、自ら現場百回の観察をし、自分でアイデアをひねり出し、商品化する競争となる。商品開発においては、中小も大手も、同じ土俵での、対等な勝負になる。

企業役割

納品したら(渡したら)終わり、売ったら終わりではなくなった。売り込むより教えるが、販促になる。

生活者に提案してゆく、教育してゆく、指導してゆく、育ててゆく姿勢が必要だ。企画の趣旨や商品コンセプトをしっかり伝え、使い方をよく知っていただく、うまく使っていただくということが要諦だ。

自動車のようなコダワリの世界では、選ぶ楽しさ、乗る楽しさ、使う楽しさになる。

情報氾濫時代で、生活者はどんな商品にもコダワリをもつようになり、利用の楽しさを説明できない商品は消える。さらに、消費者としっかりコミュニケーションし、開発者の企画外、想定外の使い方も発見に努める必要がある。

コラボ

欲求レベルが上位(精神的あるいは社会的な領域)になるほど、組合わせによる解決でないと満たされない希望や不満となる。

そのため、企業は、トータルな解決のための品揃えや 他社とのコラボレーションが必須となる。

カテゴリー・セグメント創造

男性から女性、女性からシニアへというようなセグメントは対象となる顧客市場の絞込であり、コンビニが成功してきた。いまでは牛丼屋や紳士服がチャレンジしている。

一方、シャンプーにたいするノンシリコンシャンプーの開発は、同じ女性顧客市場にたいする気づきのアプローチであり、主流シャンプーにたいして少しはずしたカテゴリーセグメント創造である。このような新たな創造が、成功率の向上に寄与する。

纏め

商品開発は、ロングセラー商品をつくって価値がでる。数撃って当たればOKという物でもないし、短期間で消えてゆくものは、失敗プロジェクトそのものであろう。成功確率を上げつ為にも、主流セグメントから「すこし焦点はずし」の「生活者の気づき促進」が強い商品を生み出す ヒントになるのであろう。

以上